ニーズだけじゃ足りない?ECサイト成功のカギを握る“インサイト”の正体

なぜ今”インサイト”が重要なのか

「商品ページは丁寧に作っているし、広告運用もしているのに、思ったように成果が出ない…」
そんな悩みを抱えているEC担当者の方は少なくありません。

その原因のひとつとして考えられるのが、「ニーズ止まり」の伝え方をしていることです。
機能や価格など表面的な欲求に応えているだけでは、ユーザーの心に響かず思ったような結果が得られない時もあります。

そこで重要になってくるのが「インサイト」です。
お客様の “心の奥”にある本音=インサイト にアプローチしたコンテンツ作成、導線設計を行うことで、「あ、私のことだ」と感じさせて購入へと繋げていきます。

ニーズとインサイトの違い

そもそも、ニーズとインサイトはどのような違いがあるのでしょうか?
ニーズとインサイトは似ているようで、大きく異なります。

ニーズ = 顕在的な欲求(表に見えているもの)
インサイト = 潜在的な欲求(その奥にある本音)

たとえば、 「家事を時短できるロボット掃除機がほしい」というのは ニーズ
でも、その奥には、 「家事に追われず、家族とゆっくり過ごす時間がほしい」という インサイト があるかもしれません。

インサイトを捉えることで、 ユーザーの「なんだか気になる」「これ、わたしのことかも」といった共感を引き出すことができます。
そして、結果的に自社の商品やサービスが選ばれる可能性も高まります。

インサイトはどうやって見つけるの?

インサイトは、すぐに見つかるものではありません。

しかし、EC運営をしている上で収集できる情報をいろいろな角度から見ていくことで、思わぬヒントが見えてくることがあります。

① レビューや口コミをじっくり読む

ユーザーのレビューには、率直な思いや気づきが込められています
「なぜ選んだのか」「何がよかったのか」を読み取っていきましょう。

例:「毎朝これを飲むと、“今日もやるぞ!” ってスイッチが入るんです」
→ コーヒーや青汁などでも、味や機能ではなく“朝の儀式”としての意味を持っていることがわかる

② 検索キーワードを分析する

Google Search Consoleや広告の検索語句レポートを使い、ユーザーが商品を「どんな言葉で探しているか」を分析します。
よく使われるフレーズの裏にある感情や状況を想像し、インサイトを汲み取っていきます。

例:「30代 肌荒れ なんで急に」「保湿しても乾燥する」
→ スキンケアのスペックよりも、「年齢と向き合う不安」や「思い通りにならない焦り」が見えてくる

③ 店舗・SNSでの“観察”から読み取る

実際の接客現場やSNSコメントの反応などから、ユーザーの行動や言葉の“温度感”を観察する方法です。
アンケートやレビューのように「聞いたこと」に限らず、「どう行動しているか」「何に反応しているか」に着目します。

例:「保存数」は多いのに「いいね数」は伸びない投稿がある
→ これは「わかる!」「知れてよかった」よりも、「あとでじっくり見返したい」「自分の生活に取り入れたい」という気持ちの表れ。つまり、“憧れ”よりも“実用”や“安心”が重視されている状況が読み取れる。

ECサイト運営での活用方法

インサイトを掘り出したら、次はそれを伝え方に落とし込むステップです。
ここでは、ECサイトの運用での活用方法をいくつかピックアップしてご紹介します。

トップページや商品ページで “共感の起点” をつくる

スペックや機能だけを伝えるのではなく、「それによってどう変わるのか?」にフォーカスしたコピーは、ユーザーの心を動かします。

例:「乾燥から守る」ではなく
「“今日は肌の調子いいね”って言われる朝を、毎日に。」

このように、商品を使うことで得られる嬉しさや変化の奥にある、感情的なゴールを想像させることで、商品が「欲しいもの」から「自分に必要なもの」へと変化します。
とくに競合商品が多いジャンルでは、この感情的価値の提示が、購入の最後の一押しになります。

SNS広告で 気持ちの引っかかり をつくる

広告は一瞬で興味を引く必要があるため、「あるある!」と感じてもらえる切り口を活用すると有効です。

服の広告であれば、
「クローゼットには服があるのに、着たい服がない朝。」
というコピー採用するなど、「ジャンルに対する共通の不満・葛藤」を提示することで、「それ、わかる!」という共感から商品へと興味をつなげます

このステップを飛ばしていきなり商品の魅力を伝えても、受け取る側のスイッチが入っていないと響きません。
まず“自分ごと化”させる。ために、インサイトを汲み取ったひとことが効果的です。

シーズン企画・メルマガで “気持ちの動き” に寄り添

シーズンに応じたメルマガやキャンペーンを企画する際にも、インサイトは非常に有効です。
単に「季節に合うから」ではなく、その時期にユーザーが感じている“気持ちの動き”に寄り添った提案が、開封率やクリック率の差を生みます。

例:
・「春に服を変えたいのは、“新しい自分でいたい”からかもしれません」
・「雨の日、気分まで湿らせない靴下を。」
・「冬の“こもりたい気持ち”にぬくもりを届けます」

こうした言葉をメルマガのタイトルや導入文に盛り込むことで、パッと目に留まり、開封につながりやすくなります。

さらに、インサイトを軸にシーズン企画を構成することで、
「〇〇のためにこの商品を選ぶ理由」が自然に伝わり、ただのセール案内ではなく、“気持ちに刺さる提案”へと変化します。

「インサイトを掘ることで、ECサイトはもっと強くなる」

インサイトを意識すると、「売るための情報」ではなく、「気持ちを動かす提案」へと変わっていきます。

大切なのは、ユーザーの“行動”ではなく“感情”を見ること。
それが、“売るため”のサイトではなく、“選ばれる”サイトへの第一歩です。

私たちは、ECサイトの構築だけでなく、サイト構築前のマーケティング設計にも力を入れております。

「自社のお客様のインサイトってどこにあるの?」
「情報の伝え方を変えていきたい!」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

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